一般的に、胚培養士が治療中の方と直接話をする機会は多くありませんが、 当院では、胚培養士が治療中の方と話をする機会を設けています。
などの説明を行っています。それ以外でも精子や卵子、受精卵について気になること、不安なことがあればお声かけ下さい。
採卵や胚移植を行う際は、必ず治療方法や結果についてお話をします。例えば、採卵後3日目に、医師とディスカッションした後に、 お電話やメールで胚培養の現状および今後の治療方針を伝え、移植胚や凍結胚の相談を行います。 採卵後8日目には、培養結果を実際に賠償した受精卵の写真などを交えて説明しています。 これは全国的に見ても非常に珍しい取り組みで、開院時から当院の大きな柱として取り組んでいます。 胚培養士の最も重要な業務は、いかに妊娠出産に繋がる受精卵を生み出せるか、ということです。 しかし、非常に心苦しいことですが、生殖医療には現在の技術を持ってしても、挙児に至らないことも少なくありません。 そのため、治療に関する正確な情報や治療結果を直接技術者から伝え、次の解決策を提案することが非常に重要であると考えています。 受精卵を扱っている胚培養士が直接話をすることで、理解が深まり、少しでも納得された上で治療を進めて頂きたいと考えています。
安心して治療を受けて頂くために、今まで見えてこなかった受精卵培養の様子、ラボの「見える化」を実現し、 ラボへ親近感を持って頂けることを目指しています。
また、治療中の方と話をすることは胚培養士の教育や成長にも大きく関わっています。 スタッフには「配偶子や受精卵ではなく人を見る」ことの重要性を伝えています。 我々がプロ意識を持ち、向上心とモチベーションを高いレベルで維持するためには、ラボの中で受精卵と向き合うだけでなく、 治療を受けられている方と向き合うことが非常に大きな意義を持ちます。 良好ではない結果を伝えるのは非常に辛いことですが、その結果にいっしょに直面することで、治療に対する想いや責任を再認識し、 より良い結果を得るためにどうすればいいか考えるきっかけとなります。