着床前遺伝学的検査(PGT: Preimplantation Genetic Testing)は、体外受精によってできた受精卵の染色体数の検査を行い、より妊娠しやすく流産しにくいと予想される受精卵を選ぶ検査です。 受精卵の染色体数に異常を認めると、胚の発生が良くない、妊娠(着床)しない、流産するなど出産に至らないことが多いことが分かっています。しかし、染色体の数は受精卵の見た目(形態、グレード)の評価では分からないため、流産を繰り返したり、なかなか妊娠できずに精神的、身体的な苦痛を経験することがあります。PGTは、受精卵の中の胎盤になる細胞の一部を採取(Biopsy)して、NGS (Next Generation Sequencing)という解析技術を用いて染色体数を調べ、数の異常がない受精卵を子宮に戻すことができます。ご希望される場合は診察で医師にご相談ください。
PGT-Aは、体外受精によって得られた受精卵に偶発的に起きた(de novo)染色体の数の異常を検査します。 現在、本技術を使用できる対象者は、以下の通りです。
1. 反復体外受精不成功: 体外受精/胚移植で2回以上臨床的妊娠が成立していない方
2. 反復流産: 過去の妊娠で臨床的流産を2回以上経験している方
PGT-SRは、染色体構造異常(染色体の転座)を有するカップルを対象とし、体外受精によって得られた受精卵の染色体の不均衡(染色体の部分的な過不足)の有無を検査します。 本技術を使用できる対象者は、体外受精を行うカップルのいずれかあるいは双方が染色体構造異常(染色体の転座など)を有することが分かっている場合です。